コラムなんまる~氣功の道は自由への道⑬~
「超人への過程⑥:気脈について」

こんにちは。

周天法を担当しております、なんまるです

 

超人(仙人)を育成するトレーニング法を紹介する「超人への過程」シリーズ。

前回はいよいよ周天法の最初の段階「小周天」について取り上げました。

 

「小周天」に取り組むにあたってよく誤解されるのですが、

「小周天は一度できたら完成」

というものではありません。(前回も説明したのですが、大事なことなのでもう一度)

 

何度も取り組んで、小周天のルートの気脈である督脈、任脈を

太くしっかりしたものにしていきます。

 

そうすることで身体を流れる氣の量が増えるとともに、

督脈、任脈から全身の経絡を流れが良くなり全身が健康になっていくのです。

 

小周天に取り組めば取り組むほどに全身を流れる氣の量、流れとも益々良くなって、

健康の先にある能力が目覚めてきます。

(ここまでが前回の復習)

 

さて、今回の記事では、

全身の経絡について私が過去学んだ知識を元に整理してみたいと思います。

 

何分目に見えない世界のことですし、私自身専門書を読んだこともないので、

もしかすると

「別の人(書籍)は違うこと言ってたよ!」

ということもあるかもしれません。

 

「私(なんまる)はそういう解釈をしているんだね」

と、大らかな気持ちでお読みいただければ幸いです<(_ _)>

 

では参ります↓

 

十二正経

 

鍼灸の整骨院で↓このような図形をみたことありませんか?

これは経絡図といって、身体上を気血が流れるルート(気脈)を明示化したものです。

この経絡図に書かれているものは総称して「十二正経(経脈)」と言われます。

 

名称からも分かる通り、十二正経は十二の経絡から成り、

図からも分かる通り「肝経」「心経」などそれぞれ名称があり、対応する臓器に繋がっています。

 

十二正経を細分化すると「手の三陽」「手の三陰」「足の三陽」「足の三陰」

に区分けすることができます。

 

そして前回の記事「小周天」で紹介した督脈、任脈のうち、

督脈は十二正経のの大元の経絡

任脈は十二正経のの大元の経絡

と言われ、督脈を活性化すると「手の三陽」「足の三陽」全体の活性化に繋がり、

任脈を活性化すると「手の三陰」「足の三陰」全体の活性化に繋がります。

(「督脈」「任脈」は次に説明する奇経八脈の二脈で、十二正経ではないことに注意)

 

つまり、小周天に取り組み、督脈・任脈を開発していくことで

十二正経全体をバランス良く活性化していくことになるのです。

 

鍼灸では、気血の流れが悪くなった箇所(=気が滞ってる)の

経穴(ツボ)を刺激して滞りを解消するということを行いますが、

小周天に取り組むことで悪い箇所の滞りが解消されるとともに、

全身の氣の流れが促進され、滞りにくい身体になっていくのです。

 

それは健康になるということであり、

その延長線上にその人の個性にあった能力が開発されていきます。

奇経八脈

十二正経の他、経絡には奇経八脈があると言われます。

 

奇経八脈は、次の8つの経絡から成ります。

督脈(とくみゃく)・・・身体の正中線、背中側にある経絡

任脈(にんみゃく)・・・身体の正中線、前側にある経絡

衝脈(しょうみゃく)・・・身体の中心を会陰(性器と肛門の間の経穴)から百会(頭頂の経穴)に貫く経絡

帯脈(たいみゃく)・・・身体を横に氣が流れる経絡

陰維脈(いんいみゃく)・・・腕の内側を通る経絡

陽維脈(よういみゃく)・・・腕の外側を通る経絡

陰蹻脈(いんきょうみゃく)・・・足の内側を通る経絡

陽蹻脈(ようきょうみゃく)・・・足の外側を通る経絡

 

私が昔、ある太極拳の先生に教わったところによると、

奇経八脈は胎児の頃に活性化していた経絡と言われるそうです。

 

人間がオギャーと生まれ、発育してくると同時に気血の流れは

十二正経に移行し、奇経八脈は閉じてしまうのだそうです。

 

なので一般的には成人になった人は奇経八脈は閉じている経絡、となります。

 

十二正経と奇経八脈の関係

ある説明では、十二正経と奇形八脈の関係について、

十二正経を流れる気血が満ち溢れると、溢れた分が奇経八脈に流れ

洪水を防ぐ働きをする、と言われています。

 

一つ、面白い分類があります。

十二正経と奇経八脈を、仙道の小周天段階と大周天段階に整理する分け方です。

 

十二正経の開発段階・・・小周天

奇経八脈の開発段階・・・大周天

 

小周天によって十二正経に氣が満ち溢れるようになると、

次の段階として奇経八脈に氣が流れはじめる。

そして奇経八脈に十分氣が流れるようになった段階が大周天、と言われています。

 

そもそも小周天、大周天の違いについては、

まだ私は自分の言葉で説明することはできないのですが、恐らくは、

小周天は、自分の身体の氣を活性化させる段階

大周天は、自分を超え、天地自然と氣が交流する段階

ということだと思っています。

 

以下、私(なんまる)の解釈となりますが、

 

奇経八脈は胎児のころに使用していた経絡だと説明しました。

ということは、自我が芽生える前に使用している経絡ということです。

 

自我とは「自分」という認識そのものですから、

自我が芽生える前(胎児の頃)というのは「自分」という認識がない訳で。

 

大周天というのは、その頃(胎児の頃)の意識状態に戻る、ということではないかと思うのです。

 

はじめは小周天に取り組み、奇経八脈のうちの督脈と任脈に氣が流すことで

十二正経を十分に活性させ、なおも小周天を続けることで、

次の段階として奇経八脈に氣が流れ活性化してくる。

 

そうすることで(意識が)胎児の状態に戻ることが大周天という言葉を指すのではないかと思うのです。

(当然、知識や経験、記憶はなくならないので、赤ちゃんになる訳ではない)

 

そう考えると仙道というのは

大人になり閉じてしまった奇経八脈に氣を流し、男女の区別もなく、自他の分別すらない

胎児の頃の意識状態を復活させることで、当時用いていた能力を復活させ、意識的に使用できるようになる修行法ではないかと。

(恐らく胎児のころは誰もが、様々な能力を持っていたが、成長とともに眠ってしまったのではないかという仮定)

 

その段階に到達できた人がいわゆる「超人」なのではないかと、

私(なんまる)は思うのです。

 

以上、人間に存在すると言われる十二正経と奇経八脈の説明でした。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

 

小周天についてはベーシックコースで学ぶことができます。

よろしければご検討ください。

 

また次回、よろしくお願いします。

(このコラムは不定期更新です)