星の一生~誕生時に運命が決まる:astronomy008

恒星の一生は、最初の質量で決まる

事務・受付担当の「さいたまあちゃん」です。

 

前回は、「太陽系(恒星)の一生」と「宇宙はリサイクルされている」ついて解説しました。

今回は、「太陽系以外の恒星の一生」について解説していこうと思います。

 

太陽のような恒星が星間雲(星雲)から誕生するときに、その状況によって軽い星が生まれたり、重い星が生まれたりします

人間の場合も同様に、誕生した時の体重は個人差があります。

例えば、誕生時の体重が軽い赤ちゃんは将来長生して穏やかに老衰するとか、逆に重い体重の赤ちゃんは寿命が短く壮絶な死を迎えると決まってしまったらどうでしょう?

それはないですよ!!  しかし、星(恒星)の場合は、それが当てはまってしまいます。

 

星(恒星)の場合は、生まれた時の重さが軽いほど寿命が長く、死を迎える時は周囲にガスをゆっくりと拡散させて惑星状星雲となり、穏やかに終焉を迎えるのですが、重いほど寿命が短く最後は急激に大爆発して、ブラックホールが出来たりします

星(恒星)の重さの表し方と、その寿命

星の重さを表す単位としてよく使われるのが「太陽質量」です。  単位の記号は「」です。

11太陽質量という)=太陽の質量の1倍=1.9884×1030 kgです。

 

今まで観測で発見された中で、

最も軽い恒星は、0.08太陽質量の0.08倍)⇒ 寿命は、14兆年(太陽の1167倍の寿命)

最も重い恒星は、320太陽質量の320倍)  ⇒ 寿命は、数百万年(太陽の0.0002倍~0.0001倍の寿命)

 

となります。

ちなみに太陽の寿命は120億年(100億年という説もあり)ですが、このように、ものすごい差が出ます。

冒頭でも触れましたが、それだけではなく死に際に違いが出ます。

恒星の質量による、終焉の違い(軽い星)

■① 1~8太陽質量の1~8倍)

 ⇒太陽と同じく、赤色巨星⇒惑星状星雲+白色矮星(詳細は前回のブログ参照方)

太陽系の一生~宇宙はリサイクル:astronomy007

■① 上記「①」の例外として、連星系(恒星が2つ以上ある系)の場合に近くに赤色巨星があって、白色矮星がそのガスを吸い込んだ場合、この質量でも②~⑤に似た超新星爆発(注1)を起こすこともあります。

「似た」というのは、少し違っていて、この例だと「Ⅰa型超新星」と言い、②~⑤は「Ⅱ型超新星」と言います。

 

この違いについては爆発時の光のスペクトル(プリズムで分光=虹のように分ける)を調べた時、吸収線の現れ方の違いで分類しています。

ⅠaとⅡの大きな違いは水素の吸収線が現れるかどうかの違いです。 Ⅰaの場合はケイ素(シリコン)の吸収線が現れますが水素の吸収線は現れません。 Ⅱ型は水素の吸収線が現れます。

元素が存在するとそれに関する吸収線が現れるため、爆発時にどんな元素が大量に存在していたかがわかり、これによって爆発の状況が詳しくわかります。

この方法は、超新星爆発の観測だけでなく、通常の恒星に対しても「どんな元素が含まれているか?」がわかるので使えます。

Ⅰa型というのがあれば、他にⅠb、Ⅰcがあるのでは? 思われた方いると思いますが、もちろんあります。  ただし、この①’のタイプはⅠa型のみであり、他のⅠbはヘリウムの吸収線が現れる、Ⅰcはどの吸収線も現れないという別の種類の超新星爆発であり、Ⅰb、Ⅰcがどんな状況で爆発するのかなど、詳しいことは残念ながらわかっていません。

 

それと、Ⅰa型は明るさが一定で遠くまで光が届くため、(遠い銀河の中にあるⅠa型超新星を探すことにより)遠い銀河の距離と離れて行く速度を計測する指標として使われる重要な天体です。

これによって、宇宙は加速膨張していることが1990年代後半に発見されて、それが起こる原因となる「ダークエネルギー」の存在を発見するきっかけになりました。(宇宙の距離の測り方と、ダークエネルギーについては後程解説する予定です)

 

注1)超新星爆発とは、急激な核融合反応を伴いながら、衝撃波とガンマ線という非常に強い光を出しながら星が大爆発をする現象です。(爆心地から半径50光年以内に、惑星がある場合は生物が壊滅的な打撃を受けるとされている) さらに詳しくは下記の「超新星爆発の補足」以降を参照ください。

恒星の質量による、終焉の違い(重い星)

■② 8~10太陽質量の8~10倍)

 ⇒赤色巨星⇒超新星爆発(Ⅱ型超新星)+中性子星・・・>これが中心部に残る

超新星爆発(Ⅱ型超新星)を起こした後、その中心部に「中性子星」という星が残ります。

この星は強い重力によって押しつぶされた状態で、密度は①の白色矮星よりもはるかに高く、10万~100万倍も高密度です。(1cm3あたり10万~100万トン以上の重さ)

 自身の強い重力により、原子の状態が崩れてさらに、陽子に電子がめり込んで中性子になった状態で、中性子だらけになっているので「中性子星」と呼んでいます。(恐ろしい状態ですね)

 

■③ 10~30太陽質量の10~30倍)

⇒赤色巨星⇒超新星爆発+中性子星・・・>これが中心部に残る(②との違いは超新星爆発までに、核融合が鉄の段階まで進む)

 

■④ 30~100太陽質量の30~100倍)

⇒赤色巨星⇒超新星爆発(Ⅱ型超新星)+ブラックホール・・・>これが中心部に残る

※ブラックホールとは、その密度は中性子星よりもはるかに高く素粒子レベルまで潰れていて(密度は無限大に近いとも)、ある半径まで近づくと光も抜け出せなくなるほどの重力があり、そのため黒く見えます。

密度と重力の関係は、同じ質量であっても密度が高ければ高いほど重力は強まります。  それと、同じ重力でも距離が離れるほど重力は弱まります。

 

普通は、物の形は原子や分子が壊れない程度で、それ以上縮むことはありません。 ところが、外側へ広がる力を生み出す核融合が燃料切れで停止した上に、超新星爆発によって中心部が強い反動で圧縮されると、原子や原子核の形を維持しようとする力(電磁気力や核力=強い力)が重力に負けてしまいます。  一度こうなると際限なく圧縮されていきます。(重力崩壊という)

この異常な状態がブラックホールです。(重力崩壊の仕組みはもっと複雑なのですが、ここでは簡単に説明しました)

ブラックホールも含めて、重力の仕組みについては別途詳しく解説する予定です。

■⑤ 100太陽質量の100倍以上)

⇒赤色巨星⇒?(不安定であり超新星爆発の後、跡形もなく消える場合や、超新星爆発(Ⅱ型超新星)せずにいきなりブラックホールになるケースも ⇒まだ未解明部分が多い)

超新星爆発の補足

「超新星爆発」というのは、例えると「頭痛が痛い」という言い方と同じであり、本当は「超新星」という言い方が正しい(爆発現象も含んだ用語だから)のですが、「超新星爆発」という言い方の方がイメージしやすいのでそういう記載をする場合も多いです。

 

爆発して星が終焉を迎えるのに「超新星」と命名された理由は、昔の人は仕組みが良くわからなかったので、地球から肉眼で見えない星が超新星になった時に爆発の明るさから「あたかも星が誕生したかのように肉眼で見えた」からです。

(地球から16万光年離れたお隣の銀河で、1987年に発生した超新星は、一時は太陽の1億倍明るく輝き、地球でも肉眼で見えたという)

超新星は一瞬で終わるのではなく、数か月間も明るく見え続けることもあります。

超新星爆発による生物へのダメージ

さきほど、50光年以内は生物は壊滅的な打撃を受けるという部分で、心配になった方もいると思いますが、今のところ、地球に被害が及びそうな年老いた恒星は近くに無く、強いて上げればオリオン座の「ベテルギウス」がありますが、643光年も離れているので、ガンマ線の影響はおそらく無いだろうと予想されています。

ただし、心配な点はそれだけではなく、

例えば、上記で説明した「■④」のようにブラックホールになるパターンだと、「ガンマ線バースト」というのが発生します。 この場合、生物にとっての壊滅的な打撃が1000光年まで及ぶとされています。

ちなみに、ガンマ線バーストが飛ぶ方向は、恒星の自転軸の2方向のしかも±2度の円錐状の先に惑星があった場合の話であり、ベテルギウスの場合は「■③」のタイプであり、自転軸も20度もずれていて自転速度も遅いので安心だとされています。(ガンマ線が全方向へ比較的近い距離へ被害が及ぶのに対し、ガンマ線バーストは狭い範囲でビーム光線のように飛び遠くまで被害が及ぶ

それと、ベテルギウスが超新星となるのは早くともまだ10万年以上先の話だと予想されています。

このように、ベテルギウスは安心だとしても、長いスパンで見れば(おそらく頻度は数億年単位)いつそれが、思わぬ方向からやってくるかわからない状況らしいです。(下記動画参照)

 

地球の46億年の長い歴史の中で、4億年以上前に超新星によるガンマ線やガンマ線バーストの影響を受けて、その当時の生物(浅い海にいた三葉虫など)が壊滅的な被害を受けたことがあったようですが、それによって生態系が変わり(または遺伝子に影響を与え)、それが影響して、結果的に現在の人類誕生に至ったかもしれないので複雑な心境になります。(当時の生物はまだ陸に上がっていなく、深い海の中にいたので強い紫外線を受けずに助かったというのもありますが)

元素の由来について

私達の体や、地球上には恒星の核融合の元になる水素やヘリウム以外にも、炭素、酸素、窒素、鉄、金、ウランなどあらゆる元素が存在します。

これらの元素の由来はどこから来たのか? について、実は上記の星の一生が関係しています。

これについては次回に説明します。

科学