七夕と言えば何を連想しますか?:astronomy004

天の川の正体

事務・受付担当の「さいたまあちゃん」です。

前回は、「星の正体」と「天文学と魔法と未来科学の関係」について書きました。

明日は七夕ですが、七夕と言えば織姫と彦星とその間にある天の川がイメージされると思います。

そこで今回は天の川と星座の正体について説明します。

えっ?、七夕くらいロマンや神秘に浸りたいので、天文学で現実に引き戻さないで欲しいって?

確かに、それも一理ありと思いますが、天文学はロマンは無いとしても(別の意味で)神秘に浸ることはできます。

「星空が好き」と言っても人それぞれで、ある人は星座からギリシャ神話をイメージしてロマンに浸ってもよいし、天文学が好きな人は、広大な宇宙の神秘を感じて浸ってもよいし、人それぞれ色々な鑑賞の仕方があってよいと思います。

話を天文学に戻すと、

前回は「宇宙は太陽のような恒星だらけ」というのを解説しましたが、その惑星を持つ恒星が平均で4光年間隔で存在していて、それらが2千億個集まって「銀河系」という巨大な渦巻きを形成していることが、天体観測によってわかりました。

上記のような構造をしていることが分かっています。

これによると、直径は10万光年もあり、中心には「いて座A*(*=スターと読む)」という超大質量のブラックホールがあり、台風のように平べったい渦巻を形成していて、中心部から2万6千光年のあたりに私達の地球を含む太陽系があります。

ちなみに一番外側にある惑星の海王星まで(地球から太陽までの距離の60倍)を直径としても、光年という単位に変換するとわずか0.001光年しかないので、直径10万光年もある銀河系がいかに巨大であるかがわかります。

銀河系の1回転は約2億年かかりますが、それによると太陽系は秒速227kmの猛スピードで動いていることになります。

そして「天の川の正体」ですが、銀河系を内部より真横から見た姿が天の川なのです。

つまり、私達の地球が銀河系の中にあるので、そこから見ると上記のように見えるというわけです。

それを想像しながら改めて天の川を見ると、今までとは違った新鮮な感覚で見ることが出来ます。

銀河系を別名「天の川銀河」と呼んでいる理由も納得できると思います。

星座の正体

前回も少し触れたように、天文学的には星座は方向を示すのみ使用していて、星座にかかわるギリシャ神話は天文学の範疇ではなく神話学です。(その他、占星術にも使用されている)

星座のルーツは古く、紀元前3000年にメソポタミアの牛飼いが、夜空を見上げて輝く星をイメージで線と線で結んで、動物や英雄たちの形を当てはめたのが元になっています。

地球から見ると確かに意味のある形に見えるかもしれません。

(地球からは、織姫星(ベガ)は、25光年、彦星(アルタイル)は17光年離れている)

しかし、地球から30光年以上離れた宇宙から見ると、星座の形状は崩れてしまいます

実際の星と星の距離によって、言い換えると、奥行きがあるのでそうなります。

(地球から見ると奥行きが感じられないので、差異が起きます)

ちなみに、銀河系全体で見ると星座の見える範囲は大体半径3000光年以内の範囲ですので、肉眼では銀河系の一部分しか見えていないことがわかります。(例外として、それより遠くとも星団や天の川や外部の銀河など恒星の集団なら肉眼でもぼんやりとした雲のように見えるものもある。 例えるなら1粒1粒の水滴は小さくて見えなくとも、それらが集まった雲ならば遠くからでも肉眼で見えるのと同じである。 望遠鏡を使えば当然、肉眼では見えないさらに遠くの天体が見えることになる)

このように、天の川にしても星座にしても大きなスケールで俯瞰してみると、全く違ったイメージになります。

ワープ航法(現在の技術では無理)でもしない限り、実際には俯瞰して見ることはできませんが三角測量によって恒星の距離を測定できるので、このような事が分かってきました。(恒星の距離の計算方法は別の機会で説明します)

参考動画

科学