時間が伸び縮みする仕組み:astronomy016

「はじき」の公式

事務・受付担当の「さいたまあちゃん」です。

 

前回は、光速は観測者の運動状態によらず常に一定である事「光速度不変の原理」について、それが実験によっても実証できることを解説しました。

今回は、なぜそうなるのか? についてその仕組みを解説したいと思います。

 

「はじき」の公式をご存じでしょうか?  小学校6年で習うそうです。

公式1)速さを求めるには「はじき」図の「速さ」を隠すと、「距離÷時間」となる

公式2)時間を求めるには「はじき」図の「時間」を隠すと、「距離÷速さ」となる

公式3)距離を求めるには「はじき」図の「距離」を隠すと、「速さ×時間」となる

という、3つの公式の覚え方の技法です。

光速度不変の原理で感じた違和感

前回の「光速度不変の原理」の図をもう一度思い出してみましょう。

「あれ?」と、この時に違和感を感じたと思います。

光速90%+光速100%=光速190%にならずに、光速100%のままになるからです。

これは 「1+1=2ではない?~特殊相対性理論:astronomy012」でも説明しました。

https://blog.mei-qigong.jp/?p=2085

この時は、アインシュタインの特殊相対性理論の速度合成式に当てはめるとそうなると解説しましたが、

そうなる理由はまだ解説していませんでした。

光時計という思考実験

下記は、よく説明で使われる説明図です。

光速90%(別の速度でもいいのですが)で飛ぶAさんがいたとします。

この時宇宙船の上下に光が何往復も反射して時間を測る時計があったとします。

Aさんの目からは、光速度不変の原理により光は光速100%のままで見える事になります。

この様子を地球にいるBさんから船内の様子が見えたとします。(ロケットが半透明だとして)

この場合も、光速度不変の原理によりBさんからも光は光速100%のまま反射しているように見えます。

ここで、冒頭に説明した「はじき」図の公式を思い出してください。

「速さ=距離÷時間」でした。

Aさんの視点とBさんの視点では、明らかに光の進む長さが異なるはずです。 つまりBさんの見る光の進む距離が長くなるはずです。

にもかかわらず、お互い見る光の速さが同じに見えるという事は、(速さは同じで距離が変わるので)時間でつじつまを合わせなければならなくなります

⇒「AB速さが同じ=BはAより距離が長い÷?」⇒?:AはBより時間がゆっくり経過する(ただしAさんにとってはいつもの時間の速さで感じる)

という風に物理法則が働きます。

 

光速が観測者の運動状態によらず(ただし、慣性系であることが条件で加速や重力による変化は含まれない)常に同じ速さで見えるのは、時間の進む速さが可変である事による効果なのです。

それは決して錯覚ではなく、Aさんはまるで浦島太郎が竜宮城で過ごした時間のように実際に老化の進行度も遅くなります。

なので、これは特殊相対性理論による時間の遅れ現象であり、これを「ウラシマ効果」とも呼ばれています。

将来的にはこれを応用して未来へ行けるタイムマシンが理論上作れます。

次回は

今回の時間の遅れの計算式を紹介し、質量とエネルギーは等価であるという有名な式を解説します。

 

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