マグマとマントルの違いわかりますか?

仙道と地学

事務・受付担当の「さいたまあちゃん」です。

「なんで地学の話?」と思われたかもしれませんが、仙道で丹田に陽気を発生させる時は、地面の下にある赤っぽく熱いマグマ(溶岩)をイメージするのが良いとされています。

私は最近、イメージ力の手助けとして地球の内部構造を調べておきたいと思い、地学の参考書を買ったり、ネットで色々と調べてみました。

すると、目からうろこが落ちるような事実がいくつもあって、知識が間違っていたことに気づきました。

まず、私達が瞑想する多くの場所の真下には、マグマは存在しないという事実です。

ちなみに、大陸と海底では地殻の厚さが異なり、大陸では30~50km下に(マグマではなく)マントルにぶち当たります。(海底では5km下にマントルにぶち当たります。 海底は地殻が薄いのです!)

「あれ? マグマとマントルの違いってなんだったっけ?」という感じになったかもしれません。

簡単に説明すると、マントルが溶けたものがマグマです。
それは、マントルが個体であり、マグマが液体であるという事を意味します。

①温度と圧力 ~ マグマは火山の真下にしか存在しない

マグマ(溶岩とも言う)は液体で、温度は1100度くらいです。
それに対し、マントルは個体で、温度は700度~4000度以上あります。(地殻に近いほど温度が低い)

ここで不思議なことに、個体であるマントルが液体であるマグマの温度を上回る場合があるという事です。

その理由は、地球の内部に行くほどマントルの温度が上がるのですが、同時に圧力も上がるため融点(個体が液体になる温度)が上昇するからです。

これにより、地球の内部の奥深く入ってもマントルは個体のままなのですが、海洋プレートの沈み込みに伴って海水を引き込むと、部分的に融点が下がるため、溶けてマグマになるのです。

そうなると密度が低くなるため、比重が軽くなり、地上付近に上昇します。
それがマグマだまりとなり、さらに上昇すると噴火して火山になります。

つまり、液体であるマグマは火山地帯の真下にしかほぼ存在しない=地球の内部にはごく一部に点在しているだけという事になります。(プレートが沈み込む場所の他に、プレートが生まれる場所=海嶺でもマグマは発生)

地球はいくつものプレートで出来ているのですが、プレートとは地殻の部分のみを指すのではなく、マントル上部の一部分までを含んでいて、それらが合板のように一体となって移動しているのです。(これも驚きでした)

プレート下部に接したマントルの上面(図の緑色の点線)は、溶けかかったチョコレートのようになっていて、上に乗っかっているプレートが滑りやすくなっているのだそうです。

②色と構造 ~ マントルの正体は「緑色の宝石」

マグマ(溶岩)は液体で、色はオレンジと赤の中間です。
それに対し、マントルは個体で、色はなんと緑色の個体の「かんらん石」という岩石なのです。
かんらん石を宝石に加工したものが、8月の誕生石「ペリドット」です。

つまり、地球の内部のほとんど上の方は、かなり広い範囲で緑色の宝石で出来ているという事になります。

ただし、温度が高いので白っぽい光を放っているらしいのですが、それをじかに確認する方法がまだありません。(人類の掘削はマントルまで達したことがないからです)

マントルが緑なのに、それが溶けたマグマは赤っぽくて、マグマが冷えて固まると黒かグレーの岩石になる。
緑に何故ならない? という疑問が沸くと思いますが、再び固まると分子構造が変わるためそうなってしまいます。(ケイ素と酸素で出来た分子構造が異なる)

このようにマグマが冷えて固まると、黒っぽい玄武岩やグレーの花崗岩になります。 これが砕けて堆積したものが地殻=地面を形成します。(まるで、ドラゴンボールが願いをかなえた後に石に変わるのに似ている?)

ちなみに緑色のマントル=かんらん石=ペリドットがなぜ地上に存在するかですが、個体のまま欠片がマグマに運ばれて地上に出てくる場合があるからです。(地上に出るとくすんだ色のかんらん岩になります)

さらに補足すると、マントルは上部マントル(深さ660kmまで)と下部マントル(深さ2900kmまで)があり、上部マントルは深くなるほど、圧力でに変わり、下部マントルはさらに圧力で色になっていると予想されています。

いずれにしても、高温により白い光を放っていると予想されています。

補足 ~ 地球の中心にあるもの

下部マントルのさらに下には、半径3500kmの大きさを持つ鉄とニッケルで出来た液体の外核と、さらに中心部には、半径1300kmの大きさを持つ個体の鉄とニッケルで出来た内核があり、そこは太陽の表面温度と同じ6000度もあります。

そして、下部マントルも個体であるにもかかわらず、プルームという上部マントルを含めた大きな対流を起こしています。

詳しくは、下記の動画をご覧ください。

最後に

陽気を発生させるときのイメージについて、今まで通り赤っぽい液体のどろどろの溶岩のイメージで良いと思います。
例え瞑想している場所の真下にマグマが存在しなくとも空間を超えて火山の下にあるマグマをイメージすればよいからです。

あるいは、この新しい地学の知識を使って、真下にある緑色のマントルや、さらに内部の鉄とニッケルで出来た外核や内核をイメージすると、陽気の性質がどう変わるかなどを試してみると面白いかもしれません。

地球の内部には、液体の赤いマグマ(溶岩)の何倍も熱く、高圧力で、大きく流動しているマントルや核のようなエネルギッシュな物体も大量にあるからです。

地学って面白いですね!

このように、仙道には科学的な知識が有効だと思われ、今後もシリーズ化したいと考えています。(興味ない?そんな事をおっしゃらずに、是非お付き合いください)

■参考動画

科学