星と魔法と未来科学:astronomy003

「5年3組魔法組」の魔法の道具で

事務・受付担当の「さいたまあちゃん」です。

前回は、「2つのタイムラグ」と「宇宙の距離の単位」ついて書きまし

今回は、夜空に輝く星の正体について解説し、宇宙の全体像のイメージを説明します。

星を近くで見るには、実際に近くへ行くか、それを近くまで引き寄せるしかありません。

科学だけの堅苦しい話だと飽きてしまうかもなので、今回は話題を広げて考察も加えます。

今から46年位前に「5年3組魔法組」という子供向けのテレビドラマがありました。

ストーリーは、魔女「ベルバラ」が人間界にやってきて、魔女の足のケガを応急処置してくれたお礼に、小学5年生のある5人のメンバーに魔法の7つ道具を1セットプレゼントします。(魔女の本心は、子供たちが魔法の道具を乱用して人間界を混乱させるのを楽しむため、でも実際は・・・)

その中にU型磁石が先端についている「バンノーダー」という魔法の道具がありました。これを使って呪文と対象物の名前を唱えると、なんでも(瞬間的に)引き寄せることが出来ました。

今回はこの道具が実在したと仮定して、夜空の星の1つを近くに引き寄せてみます。

七夕で有名な「こと座の織姫星(正式名:ベガ)」にしましょう。(注:ドラマでこのような大物を引き寄せたことはありません)

ちなみに、ベガは25光年(光の速さで25年かかる距離)離れています。

A:「アバクラタラリン、クラクラマカシン(呪文)、恒星ベガよ来い!」

星の正体

A:「ギャー! なぜ太陽が近くに来る?」

B:「いや、太陽はあそこにあります」

A:「えっ? じゃこれは何?」

B:「それがベガという星ですよ」

A:「えー、近くで見ると太陽とそっくりじゃん!」

B:「正確には、太陽よりも青っぽくて2.7倍の半径ですから大きいです」

A:「なるほど、という事は他の星も同じなの?」

B:「惑星以外は皆同じようなものです」

A:宇宙は太陽だらけだったのか!

B:「そうです! 太陽は星(恒星・・補足1)の固有名詞の1つなのです。 人間の中の太郎さんと同じです。

しかも恒星の多くは惑星が平均で1つ以上回っているらしいです」

B:「逆に、私たちの太陽をベガから見たら、4等星か5等星の暗い星の1つに見えるでしょう」

A:「宇宙人は絶対いますね!」

↑太陽系のように、「恒星名+系」と表すことが出来ます。(この中で明るい1等星は②⑧のみ、その他は近いのに肉眼では見えない暗い星なので、肉眼で見える星のほとんどは10光年よりも遠い星という事になります。・・・>星の距離と明るさの関係は別の機会で)

宇宙は太陽に似ている恒星だらけで、太陽系が属する直径が約10万光年ある銀河系内は、恒星が2000億~4000億個も存在し、平均して4光年間隔で点在しています。

それぞれ、平均して1個の惑星が回っていて、恒星が2つ3つある恒星系もあります。(補足2)

「5年3組魔法組」からの未来科学考察

ドラマの中では魔法の道具の中で、なんでも引き寄せる「バンノーダー」を分解するシーンがありましたが、複雑な電子回路があって当時の科学を超えたハイテク機器であったという設定になっています。

これは、現在のスマホを大昔の人に見せたら魔法の道具のように感じる事と似ています。

つまり、今現在でも魔法や超能力でしかありえないという現象も科学の発達により、(その一部は)未来には携帯できる道具として誰でも実現できる可能性もあるのでは?と思います。

実は科学の発達と天文学は密接な関係があり、宇宙の始まりやブラックホールの謎の解明により、物理学(科学)を発達させる可能性を秘めています。(現に、相対性理論や量子力学がカーナビの実現や、コンピューターの実現に深くかかわってきた)

そういえば、このドラマに出てくる魔法の道具の中に「マジッカー」という空飛ぶ乗り物があります。

これは、現在で言うドローンそのものです

↓自家用の空飛ぶ車の実用化に向けての計画が、2030年代に向けて具体化されつつあります! わくわくしますね!

補足

1)恒星とは自分で光る星の事です。 それに対して惑星は自分では光らずに、恒星の光によって反射して光る星です。(太陽系の場合、恒星は太陽のみで、その周りを地球を含む8つの惑星が回っています) 詳細は別の機会で。

2)肉眼で1つに見える恒星も、望遠鏡で見ると2つや3つに見える場合があります。 これは2ケースあり、1つは恒星と恒星が近くにあるため、引力で互いを公転しているケースと、実際はお互いが遠く離れていても、地球から見える方向が近いため見かけ上接近して見える場合です。 前者を「連星」と言い、後者を「重星」と言います。

宇宙は意外と連星が多くあり、太陽系のように1つしかない恒星もあります。  多いものでは7連星というのも2つくらい見つかっています。(公転はモビールのように回っている)

3)星座は天文学では方角を表す事のみに利用されていて(星座の由来となった「ギリシャ神話」は天文学ではなく、神話学です)、恒星の名前の前につけるとわかりやすい表記になります。

4)太陽系から一番近い恒星を「プロキシマ」とか「α(アルファ)ケンタウリ」とか、色々な解説がありますが、ケンタウルス座α星は3連星であり、1つ1つに名前がついていて、一番外側をまわっているのが「プロキシマ」という恒星で、それが4.24光年で一番太陽系に近いからです。  

「α(アルファ)ケンタウリ」は「ケンタウルス座α星」の別名で、3つの星を総称している呼び方です。  

ケンタウルス座α星の他の2つの恒星は特に接近していて、それぞれ「リギル・ケンタウルス」と「トリマン」と言いますが、どちらも太陽系からは4.39光年です。(プロキシマと大差ない)

このような連星系は地球からは肉眼で1つの星にまとまって見えます。 これが紛らわしさの原因です。

5)↓太陽よりも超巨大な星(恒星)が宇宙にはたくさんあります。(これから先、詳しく解説する範囲も含みます。 お楽しみに!)