私たちは星の子~元素の由来:astronomy009

人間の体に含まれる元素

事務・受付担当の「さいたまあちゃん」です。

 

前回は、「太陽系以外の恒星の一生」ついて解説しました。

今回は、「元素の由来」について解説していこうと思います。

 

人間の体には、どんな元素が含まれていると思いますか?

ぱっと思いつくのは水分が60%なので、酸素と水素は多いと予想出来て、後は炭素やカルシウムと言ったところでしょうか?

以下のようになっています。

やはり、人体の60%は水なので、酸素と水素が多いことはわかりますが、骨の材料となるカルシウムが1.5%と意外に少ないことがわかります。

さらに、「その他0.6%」の内訳は「微量元素」と言われていて、以下のようになります。

鉄や亜鉛は不足すると体調が悪くなるというのは分かりやすいですが、

驚くべきことに、微量ながら有害だとされるヒ素や水銀も含まれています。

 

これらは食物(海藻や魚介類)に含まれていて摂取されているらしいですが、取りすぎは健康を害する可能性があるとのことです。

しかし、ヒ素はなぜか人体には「必須」となっています。(この理由はちょっと調べた限りわかりませんでしたが)

 

私たちは37種類の元素で出来ていて、その中の99.4%は11種類の主要な元素であり、生きて行く上で必須なのはもちろんの事、その他0.6%を占める26種類の微量元素でさえ、その半分以上が人体には無くてはならない必須の元素となっています。

そして、人体以外にも地球上には周期表にある元素の全てが存在しています

これは、宇宙にある元素(原子番号1の水素から94のプルトニウムまで)の全種類が地球上にも存在していることを意味します

 

その根拠は、周期表として整理されていますが、抜けがなく全て発見されているからです。

それと、プルトニウムより重い元素も人工的に作ることが出来るのですが、放射性元素であるため、寿命が短くすぐに崩壊してしまいますから、宇宙でも長い時間存在できない事になるからです。

 

このように、宇宙にある元素の全種類がなぜ地球上にあるのか? という疑問が沸きます。

恒星の核融合によって鉄までの元素が作られる

前回は恒星の質量により、白色矮星になったり、超新星爆発を起こしたり、中性子星になったり、ブラックホールになったりと寿命や運命が変わるという説明をしました。

実は、元素の由来は星の内部の核融合であるという事です。

 

例えば、宇宙にはもともと水素やヘリウムと少量のリチウムとベリリウムしかなかった=これらは宇宙の始まりである「ビッグバン」の時点で生成されたのですが、その後、

水素から誕生した恒星の内部の核融合によって、水素→ヘリウム→炭素や酸素→ネオンやマグネシウム→ケイ素→鉄へと核の融合が進んでいきます。

 

そして、どんなに重い(質量の多い)恒星でも最終的に鉄まで進むと、もうこれ以上核融合が起こらなくなります

(太陽の場合は、質量の関係で中心に炭素と酸素が出来た時点で終焉を迎える)

超新星爆発によって鉄より重い元素が作られる

しかし、太陽質量の8倍以上の恒星の場合は超新星爆発によって、爆発の瞬間に急激な核融合が起こります。

これによって、周期表の鉄より重い元素が作られます

つまり、コバルト、ニッケル、銅、銀、金、プラチナ、ウラン、プルトニウムなども全て作られるという事になります。(2つの中性子星の合体によってもこれらの元素が誕生するという説もあり)

 

これによって、水素やヘリウムを主成分として、その他の元素は小さな氷や塵の状態に固形化して、宇宙に拡散します。

これらが再び重力で集まって、濃い星間雲(星雲)になると、そこから全質量の99.8%を占める水素やヘリウムが集まって恒星(太陽の様な星)が誕生します。

 

そして残りの0.2%の質量分は、様々な元素を含む塵が集まった地球型惑星(水星、金星、地球、火星・・に似た惑星)や、それを中心核に持ち、さらに恒星から離れていたために取り込まれずに余った大量の水素やヘリウムを取り込むと木星型惑星(木星、土星、天王星、海王星・・に似た惑星)ができます。

カールセーガンの言葉

「宇宙は私たちの中にあり、私たちは星の物質からできている」

つまり、「私たちは星の子である」とも言えます。

これは、天文学者・SF作家のカールセーガン(1934年11月9日 – 1996年12月20日)の言葉です。  当時この言葉を聞いて心が震えました。

 

超新星爆発が生物や人類にとって脅威だと前回説明しましたが、これが無かったら今の地球も私たちも存在できません。(自然は恵みと脅威を同時にもたらす)

 

昔、錬金術で水銀から金を人類は作ろうとしていましたが、失敗に終わりました。

自然の力は偉大だったという事になりますが、近年では少量なら金を人工的に生成する事も可能になりました。

人間の力も偉大だと思います。

 

余談ですが、「星の子」でカールセーガンの言葉以外に連想するのは「星の子チョビン」です。

このアニメのエンディング曲も好きだったのですが、昔のアニメは名曲が多いです。

仮面ライダーやサイボーグ009で有名な石ノ森章太郎さんが原作でした。

最初の恒星はいつ誕生したのか?

宇宙の年齢は138億年と計算されていて、最初の恒星は宇宙誕生から3億年後(135億年前)に誕生した「ファーストスター」という太陽のおよそ100~1000倍の大質量の青い恒星(青いというのは温度が高いことを意味する)だったと予想されていますが、諸説あり最近の研究では40倍の太陽質量程度だったのでは?という説もあります。

 

ファーストスターと言っても、一番最初に誕生した恒星という意味ではなく、全宇宙のあちらこちらで生まれた第一世代の恒星全てをファーストスターといっています。

ファーストスターは大量の水素とヘリウムと少量のリチウムとベリリウムだけしか存在しない初期の宇宙で生まれたので、核融合が始まるまではその他の元素は全く含んでいませんでした。

 

さて、次回の予告になりますが、星や銀河までの距離をどのように計測しているか?

について解説する予定です。

なんと、距離によって計測の仕方を変えているのです。

 

距離の計測によって、全ての遠い銀河は地球から遠ざかっているという現象を解説し、来年のシリーズではそこから宇宙誕生のビッグバン理論の解説へとつなげていきたいと思います。

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